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GHS・SDS・法規制ニュース

GHS分類、SDS作成、化学品管理に関連した各国の法規制情報をご提供いたします。

米国

カリフォルニア州環境保護庁有害物質管理局(OEHHA)は、Proposition65の発がん物質リストに4物質を追加した。

対象物質
ヒドロクロロチアジド
ボリコナゾール
タクロリムス
溶接ヒューム

ヒドロクロロチアジド、ボリコナゾール、タクロリムスについては、国際がん研究機関(IARC)はモノグラフ・第137巻・2026年において、それぞれグループ1(Carcinogenic to humans)に分類された。溶接ヒュームについても、モノグラフ・第118巻・2018年において、グループ1(Carcinogenic to humans)に分類された。
IARCの評価
  • ヒドロクロロチアジド
    本態性高血圧の治療に用いられるチアジド系利尿剤である。
    ヒドロクロロチアジドは、ヒトでは、皮膚の扁平上皮がんや口唇のがんを誘発し、また、皮膚の基底細胞がん、悪性黒色腫、メルケル細胞がん、および汗腺や皮脂腺等の悪性腫瘍との関連性が認められている。動物実験においても、肝臓の良性/悪性腫瘍、副腎の褐色細胞腫が発生した。

  • ボリコナゾール
    広域スペクトラムのトリアゾール系抗真菌薬で、特に移植患者に多い侵襲性アスペルギルス症や重篤な真菌感染症の治療に用いられている。
    動物では発がん性を示す十分な証拠がないが、ヒトでは、疫学調査において皮膚の扁平上皮がんの発生リスクが増加した。ボリコナゾールは紫外線によりボリコナゾールN-オキシドを生成し、酸化的DNA障害を惹起する。ボリコナゾールを投与した患者では、日光にばく露された皮膚で日光角化症(異常な細胞増殖を伴う前がん病変)が発生することから発がんメカニズムと考えられる。

  • タクロリムス
    免疫抑制薬で、臓器移植患者の拒絶リスクを低減し、造血幹細胞移植後の移植片対宿主疾患の予防に用いられる。また、アトピー性皮膚炎や白斑の第二選択治療として適応されており、コルチコステロイドによる第一選択治療の代替として認められている。
    ヒトでは、非ホジキンリンパ腫や移植後リンパ増殖性疾患を引き起こす。また、タクロリムスは、白血病および皮膚の扁平上皮癌との関連性が認められている。動物実験では、タクロリムスを経皮ばく露したマウスで、非ホジキンリンパ腫(pleomorphic lymphoma)や非ホジキンリンパ腫(undifferentiated lymphoma)の発生率が増加した。

  • 溶接ヒューム
    世界では、推定1,100万人の労働者が溶接工として従事し、約1億1,000万人の労働者が溶接関連のばく露を受けている可能性がある。溶接には、煙、ガス、紫外線、電磁場へのばく露、さらにアスベストや溶剤との複合ばく露が含まれる。また、ばく露は、作業工程、溶接材料、換気、作業スペース、個人防護具の使用によって異なっている。
    溶接ヒュームの発がん性については、ヒトでは肺がんを惹起する。腎臓がんとの関連も認められている。溶接に伴う紫外線の発がん性については、紫外線が眼の悪性黒色腫を誘発する。動物における発がん性については、ステンレス鋼のガス金属アーク溶接ヒュームが肺がんをプロモートしたとする限定的な証拠がある。

参考資料

欧州

欧州委員会は、2,4-ジニトロトルエン(2,4-DNT)をREACH規則の下で制限する規則(EU)2026/859を採択した。

対象物質:2,4-ジニトロトルエン(CAS RN 121-14-2)
  • 用途:エアバッグ、電子製品、工業用途で使用されるプラスチックボトル等に用いられている。

  • 有害性:2,4-DNTは発がん性(区分1B)に分類されており、ヒトに対して発がん性があると推定される物質であり、ヒト健康影響が懸念される。その他、急性毒性(区分3、経口・経皮・吸入)、変異原性(区分2)、生殖毒性(区分2)、特定標的臓器毒性(反復ばく露)(区分2)に分類されている。
規制概要

2027年5月10日以降、2,4-DNTを重量比0.1%以上の濃度で含有する成形品(articles)は、専門業者、一般消費者向けともに、上市(販売・供給)、使用が禁止される。

ただし、
1)爆薬(一部の火工品・弾薬を除く)、軍事用途の製品、警察・治安機関が使用する弾薬、玩具、医療機器、食品接触材料・製品は、本規制の対象外となる。

2)自動車用途に対する経過措置として、代替品への移行期間を考慮し、2029年5月11日から規制が適用される。

  • シートベルトプリテンショナー用マイクロガスジェネレーター
  • ボンネットアクチュエーター
  • これらに関連する交換部品
なお、2027年5月11日~2029年5月11日までに上市された自動車については、これらの用途に限り2,4-DNTを含んでいても、車両寿命まで使用が認められる。
3)既存の製品については、2027年5月11日以前にEU市場へ上市された成形品(中古品を含む)は、この規制の対象外とする。

参考資料

  • COMMISSION REGULATION (EU) 2026/859、of 20 April 2026、amending Annex XVII to Regulation (EC) No 1907/2006 of the European Parliament and of the Council concerning the Registration, Evaluation, Authorisation and Restriction of Chemicals (REACH) as regards 2,4-dinitrotoluene in articles https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/?uri=OJ:L_202600859

欧州化学品庁(ECHA)は、2物質についてREACH規制の高懸念物質リスト(SVHC)に追加した。

n-ヘキサン(CAS No. 110-54-3)
  • 用途:n-ヘキサンは溶剤として使用され、接着剤等に含まれることから、換気が不十分な作業環境においては、ばく露リスクが上昇する可能性がある(例:倉庫、ガレージ、トンネルや溝渠)。また、ゴムの加硫工程においてn-ヘキサンへのばく露が懸念され、タイヤ製造施設の作業者も健康有害性のリスクが高まる可能性がある。

  • 有害性:CLH(Harmonised classification and labelling)において「特定標的臓器毒性(反復ばく露)区分1」に分類され、神経系への影響が懸念される。動物やヒトのデータから、n-ヘキサンへの長期ばく露では、重大かつ重篤な神経系への影響が認められている。n-ヘキサンは、感覚神経と運動神経の両方に影響を及ぼすため、歩行困難、筋痙攣、色覚異常、腱反射の低下などが発生する。
BPAFおよびその塩

ECHAは、BPAFおよびその塩として、以下の物質を例示しているが、現在確認されている物質に限定されるものではなく、現在存在するものや将来開発されるものを問わず、BPAFのあらゆる塩形態に適用される。

  • Benzyltriphenylphosphonium, salt with 4,4′-[2,2,2-trifluoro-1-(trifluoromethyl)ethylidene]bis[phenol] (1:1) 、CAS No.: 75768-65-9
  •          
  • Reaction mass of 4,4′-[2,2,2-trifluoro-1-(trifluoromethyl)ethylidene]diphenol and benzyl(diethylamino)diphenylphosphonium 4-[1,1,1,3,3,3-hexafluoro-2-(4-hydroxyphenyl)propan-2-yl]phenolate (1:1) 、CAS No.: –
  •          
  • Reaction mass of 4,4′-[2,2,2-trifluoro-1-(trifluoromethyl)ethylidene]diphenol and benzyltriphenylphosphonium, salt with 4,4′-[2,2,2-trifluoro-1-(trifluoromethyl)ethylidene]diphenol (1:1) 、CAS No.: –
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  • disodium 4,4′-[2,2,2-trifluoro-1-(trifluoromethyl)ethylidene]diphenolate、CAS No.: –
  •          
  • 4,4′-[2,2,2-trifluoro-1-(trifluoromethyl)ethylidene]diphenol (Bisphenol AF) 、CAS No.: 1478-61-1
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  • Phosphonium, tributyl(2-methoxypropyl)-, salt with 4,4′-[2,2,2-trifluoro-1-(trifluoromethyl)ethylidene]bis[phenol] (1:1)、CAS No.: 126049-00-1
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  • Reaction products of benzene, chlorine and sulfur chloride (S2Cl2) with 4,4′-[2,2,2-trifluoro-1-(trifluoromethyl)ethylidene]diphenol、CAS No.: 921213-47-0
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  • benzyl(diethylamino)diphenylphosphonium 4-[1,1,1,3,3,3-hexafluoro-2-(4-hydroxyphenyl)propan-2-yl]phenolate、CAS No.: 577705-90-9
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  • N,N-dibutyl-N-methylbutan-1-aminium 4-[1,1,1,3,3,3-hexafluoro-2-(4-hydroxyphenyl)propan-2-yl]phenolate、CAS No.:
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  • 有害性:BPAFは、CLH(Harmonised classification and labelling)において「生殖毒性区分1B」に分類され、生殖毒性が懸念される。

参考資料

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